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すい臓がんについて
すい臓がんの特徴
- すい臓がんの多くはすい管に発生し、そのほとんどは腺がんという組織型(がんの種類)です。
- がんが発生しても小さいうちは症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感(おなかが張る感じ)、黄疸、腰や背中の痛みなどが起こります。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス 一部抜粋
すい臓がんの現状
すい臓がんの罹患率を年齢別にみると60歳ごろから増加し、高齢になるほど高くなります。わが国では、年間約4万人*の方がすい臓がんで亡くなっています。一方、早期ステージで発見されるほど5年生存率は高くなります。
年齢階級別罹患率(2020年)*
年齢階級(歳)
(人口10万人対)ステージ別5年生存率(2014-2015年集計)*
(ネット・サバイバルによる算出)
ステージ
(%) 生存率* 出典:国立がん研究センターがん情報サービス がん登録・統計 一部抜粋
すい臓がんのリスク因子
すい臓がんの家族歴
生活習慣病(糖尿病・肥満)
遺伝性
すい疾患(慢性すい炎 など)
嗜好(喫煙・飲酒)
その他(胆石など)
◇ これらの因子をお持ちであっても、すい臓がんになるとは限りません。
出典:膵癌診療ガイドライン2022年版 一部抜粋
すい臓がんの症状
腹痛
食欲不振
早期膨満感
黄疸
体重減少
背部痛
◇ これらの症状があっても、すい臓がんであるとは限りません。
出典:膵癌診療ガイドライン2022年版 一部抜粋
既存のすい臓がん検査
血液検査
- 血清すい酵素:血清アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1、トリプシン など
- 腫瘍マーカー:CEA、CA19-9、Dupan-2、Span-1 など
画像検査
- 腹部超音波検査(US)
- 造影CT
- 腹部MRI
- 超音波内視鏡(EUS)
- 内視鏡的逆行性胆管すい管造影(ERCP) など
出典:膵癌診療ガイドライン2022年版 一部抜粋
◇ 2022年以降に承認・保険収載されたすい臓がん検査用の腫瘍マーカー(血液検査)としてAPOA2アイソフォーム検査があります。
すい臓がんの診断について
- すい臓がんの診断までには以下のような流れがあります。
- 実際にどの検査を行うかは医師または医療機関とのご相談になります。
すい臓がん診断の流れ(診断アルゴリズム)
主な画像検査等の特性
どの検査にも長所と短所があり、すい臓の検査ではそれぞれの長所を活かしながら、いくつかの画像検査等を組み合わせて進めていくことで、
すい臓がんの検出や診断を行います。
すい臓がんの検出や診断を行います。
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腹部超音波検査
普及しており、比較的簡単に繰り返し検査可能だが、体型や溜まったガスの影響ですい臓の一部しか見えないことがある。 -
CT検査
すい臓を細かく輪切りに観察でき、すい臓全体を死角なく検査できるが、放射線に被ばく・造影剤の副作用に注意が必要。 -
MRI検査
CTよりもすい管や胆管を細かく観察できるが、普及台数も少なく、狭い空間で30分程度の時間を要す。 -
超音波内視鏡(EUS)検査
内視鏡を口から挿入し、消化管の中から超音波を出して検査する。特に小さなすい臓がんの発見や腫瘍が良性か悪性かを判断するために不可欠な検査。 -
内視鏡的逆行性胆道すい管造影(ERCP)
すい管を直接造影することで詳細にすい管の状態を観察でき、併せてすい液を採取して行う「膵液細胞診」も可能。 -
病理検査
画像検査ですい臓がんが強く疑われる病変がみつかったときは、その病変にがん細胞があるかどうかを調べる「病理検査」が勧められる。病理診断を行うことで、画像検査でみられた腫瘤(かたまり、しこり)ががんか炎症(良性)か診断できる。
出典: 患者・市民のための膵がん診療ガイド2023年版より一部抜粋・改変